本文へスキップ

 

かおるのときどき是好日admission

2025.12.5 すべては、然るべきところに。感謝を込めて。

 2025年も残すところ、1ケ月を切るところまで来ました。あっという間に過ぎ去った今年1年を振り返ってみると、多彩なことがありました。
 各地で数々行われた学会や研修会、とりわけ大阪・関西万博会場での排泄についての国際フォーラムは、華やかなメイン会場がおむつのファッションショーで開会式以来の満席になるという大快挙でした。
 また8月から朝日新聞 土曜日版に7回連載された「それぞれの最終楽章 : 百寿の母と排泄介護」は私の母の介護を
者の高橋美佐子さんがまとめてくれた記事です。私にとっては、母が亡くなって約2年後に母の介護を見直す、良い
会となりました。そして、その反響の大きさには、本当に驚きました。朝日新聞社にも多くのコメントが届きまし
が、私のところにもお手紙や面接、また外来受診など反響が続きました。「介護で最も困ったことが排泄だった」「誰に相談しても解決できなかった」などなど、未だ情報が必要な方に届いていないのだ、という実感と使命を強く再認識しました。
 そして本当にタイムリーなことに、それ対する一つの答えとしてこの度、“「排泄介護」のお悩み解消ブック”が出版されます。この本は今年の3月から毎月編集者と企画・執筆者と3人で会議を重ね、作成してきました。この本も私の母の介護を振りかえり、その経験と専門の知識を織り交ぜた内容です。また貴重なケアマネからのアンケート結果も入っています。少しでも在宅での排泄ケアの一助になりたい、という強い思いをもって作成した本で、在宅でご本人もご家族も気持ちよく生活していただきたいという祈りと実践で役立つ情報を込めました。
 年末にはなりましたが、連載記事と同じ年に出版できたことは幸せなことだと感謝でいっぱいです。
 もしよろしかったら、ご一読いただければ、と願っております。 来る2026年が「全ての人が気持ちよく排泄ができる毎日」となりますように。

2025.9.16 朝日新聞ウイークリー版の連載

 2025年7月26日土曜日から、朝日新聞ウイークリー版(土曜日紙面・日曜日デジタル配信)で、私の母の介護についての連載記事7回がスタートしました。
 タイトルは「それぞれの最終楽章・百寿の母の排泄介護」です。 私はコロナが猛威を振い始めた2000年から東京と高知の2拠点で生活をはじめ、当時サービスつき高齢者住宅に入っていた母と同居を開始し、3年3か月在宅介護をして最期は自宅で看取りました。
 その過程で、介護者として排泄問題に直面し、専門知識と技術を持っていても母娘の関係性ではうまくいかないことが多々ありました。在宅ケアをしている専門職への講義の中で、その話をリアルタイムに伝えていたのですが、反響が大きく、それが連載記事へとつながりました。 記事は朝日新聞記者の高橋美佐子さんが取材して書いてくれたのですが、母が亡くなって2年たった今、私にとっても見直す良い機会となりました。 驚いたのは、反響のすごさでした。
 特に第1回めに排泄物の臭いについて書いたところ、「それで在宅介護をあきらめた」、「どのように対処したか知りたい」「あるある、で身につまされた」などなど、たくさんのコメント、そしてお手紙も頂戴しました。
お手紙には、ご自分の大変だった介護経験や、ご自身の辛い排泄障害の相談もあります。
 また、以前私が執筆し、ほとんど絶版状態となっていた「パンツは一生のともだち」という単行本が私の名前と一緒に一行紹介されていたのですが、出版元・現代書館の社長から「在庫がなくなったから、そちらにあれば送ってほしい」というお電話を頂戴しました。一気に70冊売れたそうです。世の中に困っている人、助けを求めている人が実にたくさんいることを再度実感し、まだまだやるべきことがたくさんある!と強烈に感じています。
 これは母からもらった最後の宿題として、しっかり果たそう!と思っています。
 朝刊 朝日新聞デジタルでも公開

2025.5.12 精密栄養学

 新しいことを学ぶのは、とても楽しいことです。2月14、15日に横浜パシフィコで開催された第40回日本栄養治療学会(The Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition Therapy: JASPEN)に発表演題をもって参加しました。
 1万人以上の参加者があったマンモス学会の副会長は、私のランニング仲間の斎藤恵子さんで、素晴らしい学会を開催されたことに尊敬の念を深く持つと同時に、自分のことのように心から嬉しかったです。(写真は学会会場で斎藤さんとご一緒したもので、企業のマスコットを抱いています)
  学会は内容的にも、とても充実していました。私が10年以上前から深く興味を腸内細菌のことは随所でプログラムが組まれ、興味を持つ人が大変多いことに驚きました。
そしてそのプログラムの中で「精密栄養学」という言葉を初めて知りました。文献では「精密栄養(Precision nutrition)とは、遺伝的因子などの内的因子に加えて、生活習慣や腸内細菌などの外的因子の影響も考慮に入れ、健康を維持するために必要な栄養学的情報を各個人の体質や生活スタイル、ライフステージなどに応じて提供するものであり、日本語では個別化栄養や精密栄養などと訳され、次世代の栄養学として注目されている。(「精密栄養学」概論:我々は何を食べたらよいのか? :重城喬行他 実験医学Vol.41 No.10 2023)となっています。
 つまり同じ物を食べても太る人もいれば、痩せる人もいたり、体に良いという食品の効果が出る人もいれば、全く効果がない人もいるというのが、現実的な精密栄養の表れだと思います。精密栄養学が注目され始めた背景には、遺伝子解析や腸内環境の解明、健康ビッグデーターなどの研究が発展したからこそ、次のステップに入ったのだと、学びました。
  ライフスタイルという言葉があります。英語でLifeには、命、生活、人生という3つの意味があります。
食べた物が命を維持し、時には奪い、食べた物がその人の日々の心身を創り、そして人生を織りなしていきます。
排泄を専門としている私ですが、以前から食と排泄は一つのこととしてとらえてきました。今、「精密栄養学」を知り、食と排泄は自分らしくどう生きていくかを表現している1つなのだと、確信しています。